開業率は、最近の経済動向を受けて地域格差を生み出しているようです。
開業率に関するこのことは、昨年秋に公表された「平成16年 事業所・企業統計調査」の結果から、開業率トップの沖縄県は6.1%であるのに対し、最下位の福井県では2.8%であり、2倍以上の開きがあります。つまり、1000社の企業が存在しているとして、沖縄県では1年間に61社が新たに開業するのに対し、福井県では28社の企業しか誕生しないことを意味しています。
では、このことがどのような意味を持つのでしょうか?
まず、考えられことは、このような現象が一時的なものか、あるいは、固定的な問題であるかということが考えられます。当然、一時的な問題であれば、時間が解決してくれるので、それを待てばよいのですが、問題は固定的な問題の場合です。
5年前の開業率の上位と下位の10都道府県をみてみた場合、2004年時点の上位10県のうち9県がトップ10入りしています。また、下位10県についても7県がランクインしています。ちなみに、10年前と比較すると、上位10県では7県、下位10県では、4県が依然としてランクインしています。つまり、開業率の高い都道府県は長期にわたって高開業率を維持し、開業率の低い
都道府県は低位の開業率が続くという、開業率の「地域格差の固定化」が観察されるます。
次に相関する廃業率を見てみましょう。このことは、開業率の高い(低い)都道府県は高い(低い)廃業率を示していることから明らかです。
では、この開業率と廃業率の相関率から何が見て取れるでしょうか?
さる研究所の公表資料(過去の開業率の地域格差に関する研究)によれば、地域の需要動向、市場規模、人口構成比、事業所の集積、失業率などが影響を与えているということが指摘されています。開業率の地域格差が固定化しているということは、こうした要因が大都市圏では開業率にプラスに強く
働いていることを意味しているといえるでしょう。このような状況を踏まえ、開業率の地域格差をどのような施策を講じべきなのでしょうか。
結論として全国画一的な創業支援策ではなく、地域の特性に応じた創業支援策が必要ではないかということが考えられます。
今後日本経済をできるだけ地域格差なく拡大させるには、経済活性化の主要な要因の一つである開業率の格差を縮小させることが今後の重要な課題になるでしょう。また、そのことが、若年層を中心に創業意欲が低下する中で、地域レベルでの創業活性化に繋がっていくのではないでしょうか。

